オトメナゲヤリ

破壊と再生から私が出来る

女子大生がハプニングバーに飛び込んだ話④

f:id:kanakonakonako:20160708182432j:plain

 

前回はこちら。

 

 

***

 

 

そうしてソファ席でSさんのマッサージが始まる。

 

「うわぁ~めっちゃ凝ってんじゃない~?」

 

粉砕しそうな足の甲を守るためとはいえ、素人に肩を揉まれるのは正直恐怖でしかない。

そして想像通り、マッサージの手は鎖骨を経由してさりげなく胸へと。

胸へ来た手をハエをあしらうように弾くだけの簡単なお仕事です。

 

「ねえマキナちゃん、揉んであげてんだからさ、ちょっとぐらい見せてくれたら嬉しいなあ~、おっぱい。

 

 

うるせえてめえの足の甲もへし折るぞと啖呵を切れたらどれだけ楽だったのだろうか。

この世界では、むしろ”流されない”私の方が異常なのだ。

 

 

「無理です」 

「え~じゃあ力づくで見ちゃうゾ~☆」

 

 

Aさん後ろから抱き着いて私の衣装をブラもろとも引っぺがそうと必死。

よく考えたらすごい絵面。40位の男性が20代の小娘に抱き着いて無理矢理下着を脱がそうとするって……。

その小娘も「きゃ~><」とか言ってればまだいい雰囲気なんだろーが、

「おい!!!!やめろぉおおお!!!!!!!!違う!!そういうことしに来たんじゃねぇぇぇえああああああああうおおおあああ!!!」

と絶叫。そこに見かねた店員のお兄さんが割って入る。

 

「Aさん!そろそろ時間なんですけど延長どうします~?」

 

このハプバーでは男性は時間ごとに料金が決まっていて、それより長く滞在するときには延長料金1万円弱を徴収される仕組みなのだ。女性は無料なのに。

 

 

「ヤりますっ!しますっ!延長!」

「じゃあ上の階のカウンターで手続きお願いね~^^」

 

Aさん必死過ぎワロタ

私は乱れた衣装を整え、Aさんが消えた隙にまたカウンターバーに移動。

絶叫で渇いた喉を癒すため、3杯目のウーロン茶を注文。

 

 

***

 

 

 

暫くして、Aさんが帰還。

 

「マキナちゃんのために延長払ってきたよ~♡」

 

そのお金が私のところに入ってきたらどれほど良かったことか。

 

「マッサージの続きしない?ねぇねぇ、してあげるよ~?」

「あっ、もう大丈夫ですよ~足軽くなったんで」

「え?そんなことないよ、やばいからもっと揉まなきゃダメだよ」

「いや、いいです」

「20代でそんなに浮腫んでるのやばいって」

「いいです」

「マッサージしたほうが」

「いいです」

「マッs」

「いいです」

「マッサージしたいんだよぉおお願いいいい!!!」 

 

 

 マッサージしたい星人怖すぎ。

 

Aさんはついに土下座して私のマッサージをしたいと懇願しました。ハプバー初心者の私は困惑して物怖じするのみ。Aさんは私が「マッサージしていいですよ」というまで頭を上げないと駄々をこねる。もう何の店だよこれ。

 

 

 

 

そして段々ホンネが駄々漏れるAさん。

「マキナちゃんと一発ヤりたかったら高い延長払ったのに!!!なんでだよぉおお!!!!!」

マッサージはどこへ行った。

「ヤリたいよぉおお!!!ヤリたいよぉおおおおおぉおおおおんn!!!」

 

 

私は数分もの間、「ヤらせてください」と土下座で懇願する40代のおじさんの、薄くなり始めた頭頂部を見て過ごしました。

彼は、外の世界ではサラリーマンだそうです。

大のサラリーマンが、たかが20そこいらの女子大生に頭を下げているこの光景。

人生で初めて経験する倒錯的な景色に、笑っていいのか、泣いていいのか分からなくなりました。

Aさんの頭の近くで、自分で塗ってきたお気に入りのペディキュアが、ミラーボールの怪しい光に照らされてギラギラしてます。

気が付けば、ポールダンスのお姉さんたちは全裸になって激しく踊ってます。

そして隣のカップルは盛りが付いて挿入してます。

 

 

 

 

 

帰ろう。

 

 

 

 

 

私は帰宅を決意した。

実に入店から3時間ほど経過したときのことだった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

「あの、そろそろ帰んなきゃいけない時間なんで、帰ります」

 

私はAさんではなく、店員のお兄さんにそう告げた。

お兄さんは「また来てね!まってるから!」と明るく送り出してくれたのだが、Aさんは未だ私の足元で絶叫。

最初に絡んできたSさんもいつの間にかもう通常運転に戻っていて(賢者タイム)、「またね」と常連の余裕で手を振ってくれた。

 

一階の更衣室に上がると、だんだん元の世界に近づいてくる。

コインロッカーの説明書きやらなんやらが、私のギラついた意識を正常に戻してくれる。そして着ていたスケスケの衣装を脱ぎ、普通の下着姿になった瞬間だった。

 

 

「マキナちゃぁぁあっんんんんんん!!!ああああ!!!!!!!!!!」

 

やせいのAさんが全裸で とびだしてきた!▼

 

しかも局部、フル勃起。

 

 

しこしことしごきながら、私にじりじり詰め寄ってくる。

 

「うわあああああああ、frgr助けsてぇえああああfdksfbfg!!!!」

 

ちなみに、更衣室での局部露出などは禁止事項です。

なので、助けを求めれば誰か来てくれるはず、と思っていたのですが、冷静に考えれば下でガンガン音かけてんのに気づくはずない。

 

 

 「来ないで!!!!!!来ないでぇえええああああああ!!!!!!」

 

 

 

脱いだコスプレ衣装を振り回し下着姿で絶叫する女子大生 

         VS

ヤれない悲しみに暮れて気が変になったサラリーマン

 

 

最後の戦いが始まろうとしていた――――。

 

 

 

 

 

つづく。